こんにちは、獣医師の関原です。
ホームページのお知らせにある通り、この度8月31日をもちまして、5年と少しお世話になったこにし動物クリニックを退職することとなりました。
今回のブログは、これまで僕を指名してくださった多くのワンちゃん、猫ちゃんとそのオーナー様に向けて最期に挨拶と感謝を述べる場にさせていただきたいと思います。
長文になります。クサイことも言います。ちょっと恥ずかしいので興味の無い方はどうかブラウザバックをよろしくお願い致します。
今年のお盆に帰省した際、部屋の本棚で懐かしい本を見つけました。
「子狐ヘレンがのこしたもの」、「シートン動物記」です。
小学校の推薦図書で購入してもらったものです。
「子狐ヘレンがのこしたもの」は北海道で野生動物の診療にあたる竹田津実先生が出会った、生まれつき目が見えず耳も聞こえない子狐ヘレンとの生活の日々を記録した文庫本です。改めて読み返してみると小学生にはヘヴィな内容でしたが、当時の関原少年はこの本を読んで獣医師という職業に憧れを持っていたことを思い出しました。
「シートン動物記」は動物学者シートンが自身の体験を基に、様々な野生動物との出会いや物語を短編集としてまとめたものです。全てを読破しているわけではありませんが、表紙にもなっている「狼王ロボ」はオススメの1本です。興味のある方は是非読んでみてください。
とまあ、周りの同級生がかいけつゾロリや怪談レストランなんかを読んでいる中で僕はずっと動物の本ばかり読んでいました。卒業文集にも将来の夢は獣医、と書いた記憶があります。恥ずかしい話ですが、小学生の夢をずっと引きずって大人になり、果てはこにし動物クリニックに入社するに至りました。
入社当初は文字通り右も左も上も下も分からず、獣医師という仕事のあらゆることを「0」から院長と原田先生の二人に教わりました。今の僕の「知識」と「技術」は紛れもなくお二方の愛あるご指導のおかげだと感じています。
そしてもう一つ、獣医師関原雄大を形成してきた大きなピースがあります。
それは僕が診察させていただいたワンちゃん、猫ちゃんとそのオーナー様方です。
診察を始めたばかりのペーペーの新人のころから僕を指名してずっと通ってくださった方
子犬子猫のころから5年間成長を見せてくださった方
引っ越して遠くになっても変わらず通ってくださった方
逆に引っ越しで滋賀に来て初めての病院で指名して通ってくださった方
自身が怪我をしたり体調が悪くてもワンちゃん、猫ちゃんのために来院してくださった方
いつも尻尾フリフリで診察室に飛び込んできてくれるワンちゃん
いつも怒って牙を向けてくるワンちゃん
僕にはそっけないのにトリマーさんには嬉しそうな表情を見せるワンちゃん
診察台に乗ると震えて固まってしまうワンちゃん
診察台から飛び出しそうなほど元気いっぱいはしゃぐワンちゃん
いつもお利口に爪切りさせてくれる猫ちゃん
診察台の上でお腹をゴロンと見せてくれる猫ちゃん
診察中にスヤスヤ寝始めちゃう猫ちゃん
後輩猫が来てストレスで体調崩しちゃった猫ちゃん
2頭揃って仲良く一つのケージに入ってくる猫ちゃんズ
皆様に出会い、診察を通じてたくさんのことを学び、獣医師として成長させていただきました。5年間で子犬・子猫が成犬・成猫に成長したように、僕も子獣医から成獣医へと成長することができました。
時には悲しい思いや辛い思いをしたこともありました。別れを経験し、沈みこんでしまう時もありました。そんな日々の中でも、暖かいお言葉をいただいたり、何気ない日常会話で明るくしていただいたり、楽しそうに来てくれるワンちゃん、猫ちゃんから元気をいただいて、今日まで頑張ることができました。
救うことが仕事のはずの僕が、逆に救われた場面が数えきれないぐらいありました。
こにし動物クリニックでの獣医師人生は最期となりますが、僕の獣医師人生はまだまだこれからも続いていく予定です。
5年後、10年後、自分がどこでどうなっているのか想像もつきませんが、もし再会することができたら、その時はまたワンちゃん、猫ちゃんと共に楽しくお話させてください。
さいごに、これはお世辞でも何でもありません。
皆様に出会えて、僕は本当に幸せな5年間を過ごすことができました!
本当にお世話になりました!
本当にありがとうございました!!!