こんにちは。こにし動物クリニック獣医師の原田です!
気が付いたら年が明けてあっという間に一か月が経過し、驚いています。雪もまだまだ降りそうですが、梅のつぼみも膨らんできましたね。
皆様今年もよろしくお願い致します。
今回も外科のセミナー報告です!
今回は脊椎の手術に関するセミナーに参加しました。
脊椎の手術と言う括りで考えると、一般の動物病院でされることが一番多いのが
「椎間板ヘルニア」の手術です。
※椎間板ヘルニアとは?
椎間板(脊椎に柔軟性を与え、椎体間のクッション)の変性によって脊髄が物理的圧迫を受けたことにより神経症状を起こす疾患です。
・椎間板ヘルニアの分類
-HansenⅠ型:椎間板に軟骨様変性がおこり、髄核が線維輪の亀
裂・破裂部位から脊柱管内に脱出することで急性に
発症
好発犬種:チワワ、M・ダックスフンド、ビーグル、T・プード
ル、シーズー等
-HansenⅡ型:椎間板に慢性進行性の線維性変性がおこること
で、徐々に椎間板が隆起し、脊髄が圧迫されること
で発症
好発犬種:L・レトリーバー、ポメラニアン、ヨーキー、チワ
ワ、シーズー等
診断は当院ではMRIによって行います。その結果に基づいて手術を行っていきます。
(ただし、MRIの検査は設備があるところへご紹介させてもらって検査を受けていただきます。)
治療方針の決定
・胸腰部のグレード分類
GradeⅠ:疼痛のみ 神経学的異常(-)
GradeⅡ:歩行可能な不全麻痺
GradeⅢ:歩行可能な不全麻痺(立てない)
GradeⅣ:全麻痺 浅部痛覚(-)
GradeⅤ:全麻痺 深部痛覚(-)
上記の分類上でⅠ~Ⅱは内科的治療
Ⅲでは数日間は内科的治療の反応を見ることが可能
Ⅳ~Ⅴは外科治療
が推奨されます。
・内科的治療
内科治療は主にケージレストが行われます。
ケージレストとは、散歩に行かなければ良いなどのレベルではなく、体勢を変えられる程度(体長の1.5倍程度)のケージで絶対安静にしてもらう事です。その他の内科治療として、抗炎症薬や、鎮痛剤などの投与が行われることがあります。
・外科治療
外科治療はいくつかの術式があります。細かい話は省略しますが
–背側椎弓切除術
–片側椎弓切除術
–造窓術
–腹側減圧術
これらの中から、術者の好みや状況に応じて選択します。
一般的には片側椎弓切除術が選択されることが多いです。
手術の目的は突出してしまった、髄核を摘出することです。神経は骨の中を通っているので、骨を削り神経を圧迫している物質を確認し、除去していきます。
術後はしっかりリハビリテーションを行い、機能的な回復や筋力の改善、関節可動域の改善、疼痛緩和を行っていきます。重症度にもよりますが、術後のリハビリテーションは長期に及ぶこともあります。
この様な疾患のポイントとしては、急に後ろ足が動かなくなったり、背中を丸めて動かなくなったりすることが多いです。もしそのような事が起きたら、様子を見ずに、なるべく動かさないようにしてご来院ください。
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滋賀県栗東市の動物病院
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