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8月8日

犬の股関節疾患

こんにちは!こにし動物クリニック獣医師の関原です!

先日東京で開かれたセミナーに参加してきました。

テーマは「犬の股関節疾患」です。

今回のブログでは、セミナーで学んだ3種類の股間節疾患について簡潔にお伝えします。

1.股関節脱臼

股関節はカップにボールがはまったような形状をしています。

カップのことを寛骨臼、ボールのことを大腿骨頭と言います。(上図)

カップからボールが外れた状態が股関節脱臼です。

外れる方向によって背側脱臼と腹側脱臼に分かれますが、多くの場合は背側に脱臼します。

交通事故や高所からのジャンプなど、股関節に大きな負担がかかることが原因となります。

また、一度外れると激痛を伴うため脱臼した足を地面に全く着けなくなります。

触診とレントゲン検査で脱臼の有無、外れた方向を判断します。

治療法は大きく分けて3種類あります。

1.非観血的整復法

力技で大腿骨を元の位置に戻す方法です。最も侵襲が少ない整復法ですが、最も再脱臼し易い整復法でもあります。整復に成功した症例のうち、約50%が再脱臼するとも言われています。

2.観血的整復法

観血的整復法は外科的手術によって寛骨臼と大腿骨頭を固定する整復法です。脱臼の程度や経過によっていくつかの整復法がありますが、成功率はおよそ70〜90%です。

3.大腿骨頭頸切除術

再脱臼を何度も繰り返してしまう症例や、観血的整復法を行ったにも関わらず再脱臼してしまった症例などに対して行われる救済的治療法です。大腿骨頭の頸部から先を切除することで、骨盤と大腿骨頭の異常な接触が解消されるため、痛みがなくなります。この治療法の場合、確かに痛みをなくすことは出来ますが、術後に長期的なリハビリが必要になります。また、運動機能は以前の7割〜8割程度までしか戻りません。

2.レッグ・カルベ・ペルテス病

別名を「大腿骨頭壊死症」と言い、徐々に大腿骨頭が壊死していく進行性の疾患です。

発症すると、初めはびっこくらいですが、段々と痛みが強くなり、最終的に全く足を着けなくなります。

1歳未満の小型犬・トイ犬種に起こりやすい病気で、多くの場合が片足ずつ症状が出てきます。

患肢を着かなくなるので、左右の足の筋肉量に差が出てくるのも特徴の1つです。

レントゲン検査、症状、犬種、年齢などから総合的に診断します。

現在の所、治療法は1つです。

1.大腿骨頭頸切除術

股関節脱臼で説明したものと同じ手術です。レッグ・カルベ・ペルテス病では壊死した大腿骨頭が寛骨臼内で動くことで痛みが発生します。なので、骨頭を切除することで痛みがなくなります。術後はリハビリが必要となります。また、発症してからの経過が長い症例は筋肉量がかなり減少してしまっているため、回復までに時間がかかります。

切除後の大腿骨頭
表面が壊死してボロボロ


3.股関節形成不全

生まれつき、股関節のハマりが緩くなっている病気です。

これまで紹介した股関節脱臼や、レッグ・カルベ・ペルテス病ほど大きな痛みが出ることは稀で、歩き方がおかしい程度の症状しか示しません。

また、両足に同時に症状が出るのも特徴です。

好発犬種は中〜大型犬です。

レントゲン撮影で緩い股関節や、関節炎によって生じた骨棘を観察することができます。

正常な股関節は、骨頭の中心(緑点)が寛骨臼の中に収まっていますが、股関節形成不全の股関節は、骨頭の中心(黄点)が完全に寛骨臼の外側に出てしまっています。

股関節形成不全の治療方法は「保存療法」と「外科手術」の2種類があります。

第一選択は「保存療法」です。

1.保存療法

「鎮痛剤の服用」で痛みを抑えた上で股関節を使うような「軽運動」を行なってもらいます。股関節を使うことで周囲の組織が強固になり、痛みの原因になりうる骨棘の形成を阻害してくれます。股関節に過度な負担がかからないような「環境改善」、「体重管理」も重要です。他には、当院では関節炎を和らげ、可動域を広げるための「レーザー治療」や「サプリメント」の使用なども推奨しています。

保存療法は寛解(症状の軽減)を目的に行います。症状が再燃してきた場合は改めて鎮痛剤の投与などが必要となりますが、上記のような「環境改善」、「体重管理」、「サプリメント」をしていただくことで、再燃のリスクをかなり軽減することができます。

2.外科手術

股関節形成不全に対する手術は「大腿骨頭頸切除術」、「三点骨盤骨切り術」、「股関節全置換術」の3種類があります。

「大腿骨頭頸切除術」は先ほど説明した通りです。

「三点骨盤骨切り術」は寛骨臼を切り取って骨頭がハマるように角度を変えた状態で骨盤に固定する方法です。難易度の高い手術法であること、また適応の有無の判断が難しいことから、専門施設や大学病院で行われることが多いです。

「股関節全置換術」は寛骨臼と大腿骨頭を人工関節に置換する手術です。関節の機能はほぼ100%戻りますが、合併症のリスクがあります。また材料費を含めて、かなり高額の治療費が必要となります。一次診療施設ではほとんど行われていない手術法です。

人口股関節

ここからは飼い主のみなさんへのお願いです。

是非おうちでワンちゃんの股関節の異常に気付いてあげてください。

一番分かりやすいのは歩き方ですね。

びっこを引いたり、足を着けなくなったりしたらすぐに分かります。

股関節が悪いワンちゃんの特徴的な歩き方として、「モンローウォーク」と言うものがあります。

マリリン・モンローのような歩き方、と言ってもピンときませんよね…

腰を左右にフリフリしながら歩くのがモンローウォークです。

歩き方以外に立ち方も重要です。

前後の足を均等に広げて立つのが正常です。

股関節に痛みがあると、前肢を広げて突っ張り、後肢は狭めてなるべく体重をかけないようにします。

股関節形成不全のゴールデンレトリバー

歩き方は正常でもこんな立ち方を見たら一度来院されることをオススメします。

もしかしたら股関節の異常かもしれません!

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