こんにちは。こにし動物クリニック獣医師の原田です!
今回も外科のセミナー報告という事で報告させていただきます!
第二回は、消化管の外科に関するセミナーのお話です。
今回のセミナーのタイトルは
消化管縫合と吻合(ふんごう)~昭和の縫合からの脱却~
なぜこんなサブタイトルが付いているかというと、講師の先生が言うには
「獣医業界には、未だに昭和の時代に行われていた手技で手術を行っている先生がいる。医学は常に進歩しているのだから、最新の情報を知り、正しい手技で手術を行わなければならない」
ということでした。
「手術は間違った方法を何回も練習したって全然上手にならないが、理にかなった正しい方法を学べばすぐに上達する!!」と何度もおっしゃっていたのが印象的でした。
ただし、消化器の手術では“ここの手術はこうやってやるのが正解”といった決まった方法はなく、
・手術部位はどこの部位か?その部位がどういう特徴を持つ部位か?
・どのように切ってつなぐのが、一番良い方法か?
このようなところを意識して、手術をデザインすることが何より重要です。
胃~直腸までの消化器の模式図:どのように血管が走行しているかなどもしっかり把握が必要
今回は、手術をデザインするうえで重要な「縫合法・吻合法の特徴」を学び、どのような時にどの方法を用いるのがベストかという事を学びました。毎回状況に適した方法を選択し、実行することで、術後のトラブルが減らせるのです。
胃の模式図:噴門から食べ物が入り、2mm以下で等張になると幽門が開き食べ物が腸に入る
どのようなときに消化管の手術が行われるか??
・腫瘍
・異物除去
・腸閉塞
・腸の生検後
このようなところが主なところです。
縫合法の一部の模式図:どことどこをくっつけたいか?そのためにはどの方法が良いか判断して使い分ける
獣医療は年々進歩しており、「一年前と同じことをしていたら間違いかもしれないと思え。」と先生がいうぐらい、情報が更新されていきます(少し大げさかもしれませんが)。実際にセミナーには60歳近いような超ベテランの先生も参加されており、卒後の勉強の大切さを再確認しました。
当院では、院長先生は海外の先生の外科セミナーに参加しており、良いものを取り入れるのはもちろん、今まで行ってきたことも情報をアップデートできるように努力していきます。