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9月30日
症例集腎泌尿器科について

【症例報告】治療法は様々?尿路結石

こんばんは。獣医師の藤原です。

今回はおしっこの経路にできる石、「尿路結石」に関する症例をご報告します。

 

体の中に石ができるなんて、不思議ですよね。

 

尿路というのは、尿をつくる腎臓、腎臓と膀胱を結ぶ尿管、尿を貯める膀胱、そして膀胱から尿を排出する尿道・・・この4つの尿の通り道のことをいいます。

これらのどこかに石ができてしまうと、膀胱炎になったり、尿が排出しにくくなったり、最悪の場合尿が出せなくなってしまって膀胱や腎臓が破裂してしまうこともあります。

 

犬猫の尿路にできる石は尿中のミネラルバランスが崩れてできてしまいます。

 

尿のpHを調節してミネラルバランスを整えるフードで溶けてしまう石もありますが、そのような食事療法で溶けないタイプの石もあり、除去するには手術が必要になります。

 

☟尿路結石で手術が必要だった2頭の実際の経過をご報告します。☟

 

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<症例その1>

ミニチュアシュナウザーのわんちゃん、10歳、去勢雄

2年ほど前に膀胱結石の手術していました。

膀胱炎でご来院された際、再び膀胱結石ができていることが見つかってしまいました。

 

エコーで石の影があり、レントゲンで確認すると・・・

小さな石が膀胱の中にぎっしり!!!

このわんちゃんは1回目の手術後、食事療法をしっかり続けていらっしゃいました。

細かい石がたくさんできている状態だったため、尿道に詰まってしまう前に膀胱を切開して石を取り出す手術を行いました。

 

摘出した石の成分を検査センターで分析してもらうと、「シュウ酸カルシウム結石」でした。

これは溶けないタイプの石です。

 

シュウ酸カルシウム結石は体質的にできやすい子がいて、しっかり食事療法を続けていても再発してしまうケースがしばしばみられます。

3回目の再発をできるだけ防げるように、今は尿の排出を促進するサプリメントを食事に併用してもらっています。

 

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<症例その2>

mixの猫ちゃん、5歳、避妊雌

食欲がなく、嘔吐が続いているとのことでご来院されました。

血液検査をすると、腎臓の数値が悪化してしまっていました。

まだ年齢的に若いのに・・・?と思いつつレントゲンを撮ると、お腹の中に2つ石が!

 

エコー検査で、石は尿管に詰まっていることがわかりました。

 

この猫ちゃんの石は取り除くのが非常に難しい位置にあったため、石はそのままで、腎臓と膀胱をバイパスする手術を行い、人工的な尿路(SUBシステム)を作って尿ができるようにする手術を行いました。

人工物が体の中に入っているため、定期的なメンテナンスや健康チェックが必要です。

今のところ、時々皮下点滴をしたり内服のお薬を飲むことで、普通の猫ちゃんとそれほど変わらない生活を送ることができています。

 

 

石の種類によっても、できた位置によっても、治療方法は変わります。

石があるかどうかはレントゲンやエコーなどの画像検査でしかわかりませんが、

ご家庭でできることは、尿をチェックすること!

 

・尿の色がいつもと違う・・・

・尿がキラキラしている・・・

・尿をしたそうにするのにちょっとずつしかでない・・・などなど

 

ちょっとした異変から早期発見できることもあるので、是非気にかけて見てみてください。

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